【ホタテの食中毒】原因とかからないために必要な対策とは

生で食べても、焼いて食べても、どんな調理方法でも美味しいホタテですが、
食中毒を起こすことがあるのを知っていますか?栄養も豊富で食卓を華やかにしてくれるので、
消費量が増える一方で、食中毒の問題も取り上げられるようになりました。

重症化すると死亡する例もあり、食中毒対策として、厚生労働省により貝毒の規制値が設けられました。
ホタテが生活する海の検査も定期的に行っており、毒化したホタテは流通しないよう、私たちの安全が守られています。

1.食中毒の原因とは

毎年、特定の時期になると、海水中に有毒プランクトンが異常増殖します。
ホタテはこの有毒プランクトン(渦鞭毛藻:うずべんもうそうるい)を餌としているため、食べることで貝毒になります。
この毒化したホタテを食べてしまうと、下痢や麻痺などの食中毒を起こしてしまうのです。
有毒プランクトンは地域によって変動しますが、春から夏にかけて発生します。ホタテによる食中毒もこの時期に起こります。

麻痺症状が出るものはフグの毒と同じような強さがあり、死に至ることもありますので注意が必要ですよ。
ホタテだけではなく、二枚貝(カキ、アサリ、シジミ、トリガイなど)全てに当てはまります。

一度毒化してしまったホタテでも、有毒プランクトンがいない所にいると、個体から毒が排出されて無くなることが知られています。

 

2.ホタテによる食中毒の症状

貝毒には、麻痺性・下痢性・神経性・記憶喪失性の4種類あります。
有毒プランクトンの成分の違いによって症状が異なり、どの毒も熱や酸に強いことが共通しています。
日本では、麻痺性貝毒と下痢性貝毒の2種類が見られます。それぞれ症状を詳しく見ていきましょう。

●麻痺性貝毒

貝毒のなかで最も古くから知られており、日本では北海道から沖縄まで、各地で発生が見られます。
症状はフグ毒とよく似ていて、神経系の障害が主となります。食べてから30分ほどで、舌などにしびれが出始めます。
その後、手足にしびれが広がり、重症になると麻痺を起こします。身体を動かすことや歩くことが難しくなり、
呼吸困難になります。最悪の場合、意識がなくなり、呼吸が止まって死に至ることも報告されています。

重症症状は通常、貝を食べてから12時間以内に起こり、この時間を超えると回復に向かうとされています。
残念ながら、治療薬はありません。人工呼吸による治療が必要で、時間とともに毒が排出されます。
回復すれは後遺症は残りません。

●下痢性貝毒

ノロウィルスも下痢性貝毒のひとつです。二枚貝が原因となる場合、集団食中毒を起こすこともあります。
消化器系の症状が多く、吐き気・下痢・嘔吐・腹痛が見られます。食後30分から4時間以内に起こり、
通常3日以内に回復します。発熱、後遺症、死亡例もありません。

 

3.食中毒を防ぐための対策

私たちがスーパーなどで目にするホタテは、検査によって安全が確認されています。
昭和56年、厚生労働省では食品衛生法によって、二枚貝の麻痺性貝毒の規制値を定めました。
これにより、産地では貝毒の検査を実施し、出荷することが義務化されるようになりました。
規制値を超えた貝は出荷が禁止されています。

しかし、自家用に採った貝などは出荷規制がないので注意しましょう。
貝毒を持ったホタテなどの貝は、加熱しても毒は消えません。ウロ(中腸線)
と呼ばれる黒い部分に毒は溜まりますので、この部分を取り除くことが必要となります。

また、日本ではホタテ個体での検査だけではなく、生息する海でのプランクトン調査も定期的に行っていますよ。
規制値を超えたものが検出されると出荷停止になり、水揚げされた海での漁獲もしばらく休止となります。
厚生労働省や各都道府県のホームページで確認できます。

 

4.すぐ食べない場合は冷凍保存を

お刺身用のホタテを生で食べられるのは2日程度でしょう。
それ以降は加熱調理して食べることをおすすめします。ホタテは冷凍しても状態が変わりにくいので、冷凍保存に向いているんです。
お刺身用やボイルしたものも、食べきれない場合は余分な水分をふき取って、ラップに包んでから食品保存用袋に入れて冷凍しましょう。
2、3週間で食べてしまうのが、冷凍焼けもしにくく、美味しく食べられる目安になりますよ。
ただし、ボイルしたホタテは身が崩れやすくなっているので、優しく扱うようにしましょう。

 

5.まとめ

古くから貝毒による食中毒があり、東北地方では「桐の花が咲くころは、貝の中毒に注意せよ」と言い伝えがあります。
6月中旬ごろに桐の花が咲き、同じ時期に周辺の海では貝毒が発生することから生まれた言葉です。

食品衛生法によって安心してホタテを食べることができるようになりましたが、貝殻の付いたものを購入した場合は、
しっかりウロを取り除いて食べるようにしましょう。
加熱しても毒はなくなりませんので、「生じゃないから大丈夫」などの安易な気持ちは危険です。

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