牡蠣の旬はいつ?Rのつく月だけに食べるべき?

牡蠣はRのつく月に食べるべき?

欧米では昔から「You should only eat oysters when there is an “r” in the month.(牡蠣はRのつく月だけに食べなさい)」といわれており、それが日本にも伝わって牡蠣といえばRのつく月に食べるものというイメージがあります。

 

一年の内、Rがつかない月は5月のMay、6月のJune、7月のJuly、8月のAugustの4か月。夏のシーズンですね。

 

こう言われるようになったのは、夏場は気温が上がりますから、食品が傷みやすく、食中毒のリスクが高まるためと考えられています。現在は保存・流通技術が高まっているので、夏場でも新鮮な牡蠣が食べられるようになりましたが、「Rのつく月に食べるな」という言葉が誕生した昔は、まだ保存・流通技術も発達しておらず、鮮度を保つのは大変なことだったと考えられます。

 

そしてもう一つの理由として、Rの付かない月は牡蠣が産卵期を迎えるため、身が痩せて水っぽくなり、あまりおいしくないということがあるのです。保存、流通技術が進んだ現在では、「Rの付かない月は産卵期なのでおいしくない」という理由の方が、大きな意味を持つようになりました。

 

牡蠣が最もおいしくなる時期は、産卵が終わってしばらくした11月頃から春先の4月上旬頃までなのです。晩秋の11月頃から牡蠣は栄養分をたっぷりと蓄え始めます。産卵期のダメージから回復し、栄養が身全体にいきわたり、ふっくらとした大きな身に育ちます。そしておいしさの元であるグリコーゲンがぎゅっと詰まった、濃厚な味わいになっていくのです。晩秋から春にかけてが、牡蠣の旬となります。

 

ただし冬から春先にかけてが旬となるのは、真牡蠣といわれる種類です。実は夏にこそおいしくなる牡蠣もあります。それは、岩牡蠣という種類です。

日本には真牡蠣や岩牡蠣、ガガキ、スミノエガキ、イタボガキ、シカメガキなど20種類以上もの牡蠣が生息しています。その中には絶滅寸前のものもあり、希少価値が高いものも少なくありません。

 

現在、私たちの食卓に上る牡蠣の大半は、養殖された牡蠣です。主に真牡蠣と岩牡蠣の養殖が盛んで、市場に出回る牡蠣のほとんどが、この2種類です。真牡蠣は最も流通量が多く、私たちが牡蠣と聞いて思い浮かべるのが、この真牡蠣です。殻の長さは約4センチ、高さは7センチほど。冬場は身が太り、みっしりと身が詰まっています。

 

主に栄養をたくわえはじめる11月から、産卵直前の4月頃まで市場に出荷されます。その後は産卵期となり、身が痩せていきます。というのも真牡蠣は年に一度の産卵時に、栄養分であり旨味成分でもあるグリコーゲンを使い果たしてしまうからです。

一方、岩牡蠣の旬は6月から8月の名頃にかけて。まさに夏です。ちょうど真牡蠣が市場から姿を消す時期に、最も美味しくなります。夏は真牡蠣が食べられなくても、みずみずしくおいしい岩牡蠣が楽しめるのです。

 

真牡蠣は日光がさんさんと降り注ぎ、エサのプランクトンの生息域でもある浅瀬に住んでいます。現在は養殖がほとんどですが、育成期間は1年から3年です。これに対して岩牡蠣は海の深くにある岩場で、3年~5年の歳月をかけてゆっくりと育ちます。このため、真牡蠣よりも身が大きいものが特徴です。

 

岩牡蠣の産卵期も真牡蠣と同じく夏ですが、真牡蠣が一度の産卵で栄養分を使い切ってしまうのに対して、岩牡蠣は数回に分けて産卵し、少しずつ栄養分を使っていきます。このため夏場でも身が痩せず、旨みがたっぷり。夏場でもおいしく食べられるのですね。天然物は夏が旬ですが、近年は岩牡蠣の養殖も増えており、春先から市場に出荷されています。

牡蠣の生産量日本一の広島県

現在、日本の市場に流通している牡蠣の多くが養殖もので、日本各地で牡蠣の養殖が行われています。その中でも特に有名なのが、広島県と宮城県です。広島県は牡蠣の漁獲量が全国一位。ダントツの水揚げ量を誇ります。広島の牡蠣は大粒で肉厚な身はぷりぷりしており、とってもジューシーです。天然干潟で養殖される殻付きの「安芸の一粒」や、地御前の「健牡蠣」といったブランド品も人気です。

 

真牡蠣なので旬は冬ですが、夏でも旬と変わらない濃厚な旨みが味わえる品種が開発されて話題となりました。その秘密は、30本もの染色体を持つ三倍体牡蠣です。通常の牡蠣は、二倍体ですが、品種改良をすることで卵を産まない牡蠣を作りだしました。産卵期に使い果たされるグリコーゲンがそのまま温存されるので、肉厚で濃厚な旨みがあります。また、産卵期がありませんから、一年中販売されています。広島が開発した三倍体牡蠣は、「かき小町」というブランド名で知られています。

宮城県は、水揚げ量が全国2位です。三陸の漁場は沖へと大きく開けているため、絶えず海水が流れ込み、清潔な海流が生み出されています。この特徴を生かして、生食用の牡蠣の栽培に力を入れており、生牡蠣の産地として知られています。

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