地球にやさしいサステナブルな完全養殖「近大マグロ」
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日本人になじみ深いマグロ。
お刺身でもお寿司でも美味しく食べられて、みんな大好きです。
中でもクロマグロ(本マグロ)は、マグロの王様と呼ばれ、
高級食材としてとても人気があります。
そんなクロマグロが絶滅危惧種としてレッドリストに加えられていることは、
広く知られています。高値がつくため乱獲され、
個体数が減少してしまいました。


世界的に捕獲量を削減する対策がとられ、
少しずつ回復してきていると言われていますが、
いまだ資源状態は低位となっています。

マグロが食べられなくなるかもしれないなんて、
日本人には信じられないことですよね。
そこで、日本でのマグロ需要を補うために、
世界では広く養殖が行われています。
オーストラリア、地中海、メキシコなどでは盛んに養殖が行われ、
その輸出先のほとんどが、
世界一のマグロ消費国、日本となっています。

世界初の完全養殖「近大マグロ」

日本では、近畿大学が手掛けている
「近大マグロ」がとても有名ですよね。
近大マグロは、世界で初の「完全養殖」
が成功したクロマグロです。近畿大学水産研究所が、
2002年に完全養殖を成功させたというニュースは世界中を駆け巡りました。
実はこの「完全養殖」に大きな意味があるのです。

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養殖の種類

マグロの養殖には「完全養殖」「畜養」があり、
両者には明らかな違いがあります。
「完全養殖」はその名のごとく卵から育てる養殖です。
人工ふ化させた稚魚を育て、親となったマグロが産卵した卵を、
また人工ふ化させて、2代目、3代目と子孫を作り、
つなげていく、そのプロセスすべてを人工的に行い、
サイクルが確立している状態を「完全養殖」言います。

 

一方「畜養」は、海から稚魚を
捕獲してきて育てる養殖のことを言います。
天然資源を使っているという点では保護になっていないうえに、
稚魚の乱獲が進んでしまったら、
いずれ養殖魚も育てられなくなってしまうという結果になります。
クロマグロは本来繁殖力があり、乱獲を防げば資源回復を見込めるのですが、
養殖をするために稚魚を捕獲していたら、
意味がなくなってしまいますよね。
このような未成魚の過剰漁獲も資源の減少につながってしまうのです。

 

海外では、捕獲された2歳くらいのマグロを育てる
「畜養」を行っています。
日本でも最初に始められたのはこのような方法でした。
しかしそのままでは、いずれ資源は枯渇してしまいます。
そこで近畿大学水産研究所は、
サステナブル(持続可能)な養殖として「完全養殖」の研究を始めたのです。

 

近畿大学水産研究所が完全養殖の研究に着手したのは1970年のことで、
2002年の成功まで実に32年もの歳月を必要としました。
デリケートなクロマグロの生態を徹底して観察しながら飼育環境を整え、
不可能と言われたクロマグロの完全養殖に成功したのです。
現在ではマルハニチロなどの企業も完全養殖に取り組んでいます。

近大マグロの完全養殖サイクル

初めは、天然マグロの幼魚(ヨコワ)を捕獲し、
「養成親魚」となるまで5年以上育てます。
養成親魚が産卵し、受精卵が海面に浮かんでくるので、
すくいとり採集します。直径1mm程度で、
数百万粒とあると推定されています。
受精卵を人工ふ化場へ移し、ふ化させます。
およそ32時間でふ化した「人工ふ化仔魚」は、
約2~3mmくらいの小さな赤ちゃんです。
自然界では生き残ることが難しい仔魚を陸上の水槽で大切に育てます。

 

約20日後には、成長した「人工稚魚」となり、
陸上の水槽から海のいけすへと移します。
ふ化からおよそ3ヵ月で30cm・300gの「人工若魚」に成長します。
それから3年、海のいけすで育て、全長1m・体重30kg以上の
「人工成魚」になると、出荷されるようになります。
そして、この養殖マグロの卵からまた育てることで、
親も子も養殖マグロという完全養殖のサイクルとなっていくのです。

近大マグロが食べられるお店

この手塩にかけて育てられた「近大マグロ」を食べられるお店があります。
マグロだけでなく、そのほかの養殖魚である
ヒラメやマダイ、シマアジ、ブリなどの「近大卒の魚たち」
も食べることができます。魚以外メニューは、
研究所の施設がたくさんある和歌山の食材にこだわっています。

近畿大学水産研究所 グランフロント大阪店

ランチは、20食限定の「近大花籠御膳」と、
「近大マグロと近大選抜鮮魚の海鮮丼」、
「近大にぎり寿司御膳」などがあります。
ナンバーワン人気は「近大マグロづくしコース」です。

近畿大学水産研究所 銀座店

ランチにはすべて「近大マダイのあら汁」が付きます。
「平日限定の日替わりランチ」は、カマ焼きなどの焼き魚が中心です。
「近大寿司ランチ」は近大マグロをふんだんに使った一番人気のメニュー。
「近大マグロづくし丼」はテイクアウトもできます。

近畿大学水産研究所 はなれ グランスタ東京店

一番新しい店舗です。ほかの2店とは違い、
近畿大学の完全養殖稚魚を養殖業者が育てた
「近大生まれの魚」を提供しています。
数量限定の「近大生まれマグロづくしの手桶寿司」、
「近大バラちらし寿司」などのメニューのほかに、
お土産にもぴったりな「近大マグロせんべい」や、
美濃焼の湯呑みも販売しています。

この3店舗以外にも、
和歌山県では食べられるお店がいくつかあるようです。
日本全国で近大マグロがもっと
身近に感じられるようになるといいですね。

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