トラフグの旬は冬だけじゃない!毒の増える時期や養殖の旬

高級魚の代名詞ともいえる「トラフグ」。フグの中でも最も高級な魚なのでフグの王様なんて呼ばれたりもするんですよ。あまりに美味しいので「フグに超すことなし」とまで言われるほど。そんなトラフグの旬はいつなのでしょうか?せっかくなら、一番美味しい旬の時期に味わいたいと思いませんか?

トラフグとは?

フグ目フグ科トラフグ属の魚です。
フグの仲間は世界中に300種類以上いると考えられていますが、日本近海にはそのうち約50種類が生息しています。
そのうち、食用にできるのは22種類です。トラフグの生息範囲はアジアからアフリカにかけての熱帯と温帯の海です。
驚くことに、南米では淡水に生息しているトラフグもいるんですよ。

背面には大きな黒青色の斑点があり、腹側は白いです。
尻ビレが白いのがトラフグの特徴です。背面と腹側には小さいトゲが密生しています。
皮は分厚く固いですが、骨はそれほど固くありません。天然のトラフグは漁獲量が減り、
ますます値段が高くなっていますが、養殖技術が発達したおかげで、年間を通してトラフグが食べられるようになっているのはうれしいことですね。
ちなみに、なぜトラフグというのか諸説ありますが、背中の模様がトラに似ているからとか、
フグの中ではかなり大きいので、昔の日本人が知る大きな動物(見たことはなくても)にたとえた…などの説があります。
背中の模様はトラに似ているとは言えませんが、昔の人は当然、トラを直接見たことがなく、
中国から渡来した人たちから話に聞くだけだったので、トラの模様はトラフグの模様に似ていると思ったのかもしれませんね。

トラフグの旬は冬?

天然もののトラフグには旬があります。
一般的にはトラフグが美味しいのは
「秋のお彼岸(秋分の日をはさんだ3日間・9月中旬から下旬頃)から春のお彼岸(春分の日を挟んだ3日間・3月中旬から下旬頃)まで」
と言われています。たしかに、フグ鍋(ちり鍋)や熱燗で楽しむヒレ酒など、フグは冬の魚というイメージが強いですね。
12月上旬~2月下旬頃がトラフグの旬だと思っている人が多いのではないでしょうか。

このように「フグの旬は冬」というのが定説になっていますが、実はそうとも言えないんです。
というのも、フグが最も美味しいのは産卵期の前。トラフグの産卵期は4月~7月頃なので、冬が旬とは言えませんね。
江戸時代には、夏野菜をたっぷり使ったフグ汁が食べられていたことからも、トラフグの旬が冬ではないことが分かります。

ところが、一番美味しくなるはずの春から初夏にかけて、トラフグの毒性は最も強くなります。
なので、夏はフグを食べるのを避けることから、冬が旬だと考えられているんですね。
もう一つ、冬が旬だと言われている理由は、フグの白子にあります。
トラフグの白子は産卵期の前に最も大きくなり、味が良くなります。
ですから1月~3月頃の白子が最も美味しいのです。トラフグといえば白子ですから、
冬が旬と考えられているのは当然かもしれませんね。
さらに、ふぐ鍋には欠かせないスダチやカボスなどの柑橘類が冬に旬を迎えることも、フグが冬によく食べられる理由のようです。
たしかに、スダチやカボスで作ったポン酢はトラフグによく合いますね。

なぜ春から初夏にトラフグの毒は増える?

最近の研究で分かったことなのですが、卵からかえったばかりのフグの稚魚には毒がありません。
日本大学の糸井教授の研究によれば、フグが毒を持っているのは毒のあるヒトデや巻貝の類を食べているからなんです。
なぜ、フグが毒入りのエサを食べるのか不思議ですよね?単純に考えると、
体内に毒を貯めて他の魚に食べられないようにするため、と思うのですが、これは間違い。
トラフグは肝臓や卵巣に毒を持っているので、食べられた後に毒が効果を発揮するのでは、身を守ることができませんよね。
なぜ産卵時期の前に卵巣に毒が蓄えられるのか考えると答えは明らかです。

答えは「産卵前に卵に毒を含ませている」から。
魚の稚魚は小さいので、他の魚に狙われてエサにされますよね。
でも、フグの稚魚はお母さんの体内で毒をもらい、皮に溜めます。だから、他の魚が口に入れても、
毒を感じてすぐにぷっと口から吐き出すんですよ。こうやって、フグのお母さんは子どもたちを守っているんですね。
しかも、自分の体にも毒をたくさん貯めることで、人間に漁獲されるのを防いで、無事に産卵を迎えられるというわけなんです。
トラフグは賢いですね。

養殖のトラフグには旬がある?

養殖のトラフグには、旬がありません。1年通して獲れるので、春夏秋冬、いつ食べても同じ美味しさを味わえます。
ですから、1年中いつ食べても値段が変わらないのが養殖のトラフグの良いところですね。
それぞれの旬を知っておくと、冬から春は天然、夏から秋は養殖と食べ分けることができますね。
冬なら新鮮な天然トラフグを鍋や刺身で、旬以外の時期は養殖のトラフグを唐揚げや焼きフグで楽しむなど、食べ方も工夫できそうです。

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