トラフグ料理の豊かなバリエーションと人気定番から食通のオススメまで紹介

トラフグというと、高級品でなかなか気軽には食べられないというイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
しかし近年では養殖の技術が進んで市場に出回る数も増え、昔に比べて身近な食べ物となってきました。
お店でふぐ料理を楽しむ機会も増えてきていますね。
トラフグは部位や調理法によって全く違った美味しさを味わえる食材です。
定番中の定番からふぐ好きしか知らないディープな食べ方まで、知っていればちょっと自慢になるかもしれません。

トラフグ人気定番料理その1、ふぐ刺し

トラフグの食べ方といえばで真っ先に名前があがるのは、やはりふぐ刺しでしょうか。
グルメ番組などで大きく口を開け、何枚も重ねたふぐの刺身を頬張る様子は食欲をそそります。
ふぐ刺しのあの薄い切り方には理由があります。
ふぐの身は筋肉質で、他の魚と同じ厚さで切ってしまうと、弾力が強くて噛みにくいのです。
修行を積んだ一流の料理人が包丁を入れることではじめて、
トラフグの刺身は香りと旨味が引き立つ最上の口あたりが楽しめるのです。

また身が透き通るふぐ刺しにおいては、器の美しさも非常に重要とされています。
ふぐ料理の有名店で、お客様にお出しする器へのこだわりを謳う店があるのはそのためです。
美しい盛り付け、香り、食感、旨味の全てが問われる刺身は、やはりトラフグ料理の王者といえるのではないでしょうか。

トラフグ人気定番料理その2、てっちり

トラフグの定番料理でふぐ刺しと対になるのは、鍋料理、いわゆるてっちりです。
上品なふぐ刺しに対して、ふぐの鍋は大阪を中心に庶民の食べ物として親しまれてきました。
元々大阪でふぐ食が解禁となった昭和22年頃に、
ふぐのアラを野菜と一緒に鍋に放り込んで作ったアラ汁がてっちりの前身といわれています。
トラフグの美味しさを味わいつくしたいという、庶民の素朴な願望から生まれた料理法ということですね。

刺身では包丁捌きの腕が問われますが、鍋では身をぶつ切りにしていきます。
そして火が通りすぎて固くなる前にバクバクと食べてしまうのです。
今ではもちろん高級料亭でも提供されるてっちりですが、せっかくなら本来の形に立ち返り、
気取らずにワイワイと食べたいものです。
ちなみにてっちりの醍醐味は〆にありともいわれ、旨味がつまった雑炊のためのお腹を残しておくのも重要なポイントですよ。

食通のオススメ、一夜干し

トラフグは他の魚よりも旨味が強く、味わい深いことで人気のある魚です。
そのトラフグの旨味をさらにぎゅっと濃縮して味わえるのが一夜干しです。
冬の季節に、太って栄養をたくわえたトラフグを一晩かけて乾燥させ、余分な水分をとばすことで旨味だけを閉じ込めます。
トラフグの身は肉厚で、干物にしてもじゅわっと甘い肉汁を感じます。
鍋や刺身と違って、焼き魚の香ばしさを味わえるのも嬉しいところでしょう。

一夜干しでは塩加減がとても重要になります。
素材の味を損なわず、口にしたときにほどよい水分を残して食感も楽しめるようにするには匠の技が必要です。
食通の人々の間では、腕のいい作り手による一夜干しは最もトラフグの旨味が味わえる食べ方ともいわれています。

トラフグ料理でお肌キレイに、ぷるぷるの煮凝り

トラフグは実は美容にいい食品です。まず一番よく食べられる身の部分は、高たんぱくで低カロリー。
鶏のささ身のように食べても太りにくいとされています。
そしてそれ以上に女性の支持を受けているのが、ふぐの皮の部分に豊富に含まれる海洋性コラーゲンなのです。
飲食店でトラフグのフルコースを頼むと、先付として皮の煮凝りが出されることがあります。
ふぐの皮をしっかりと煮詰めるとコラーゲンが抽出されて、それを冷やすとゼリーのように固まります。
透きとおった煮凝りは目にも楽しく、口に入れるとぷるんとした食感を楽しむことができます。
ふぐはお腹いっぱい食べても罪悪感も少なく、さらに煮凝りでお肌も綺麗になるとすると、こんなに嬉しいことはありませんよね。

毒があるはずの部位が食べられる、卵巣のぬか漬け

トラフグの卵巣といえば猛毒で絶対に食べてはいけない部位として知られています。
しかし石川県内でふぐの子の名称で知られている糠漬けは、実はこのとらふぐの卵巣で作られているのです。
2年という長い時間をかけて塩と糠に漬け込むことで、トラフグの猛毒テトロドトキシンが無毒化されます。
そのメカニズムは現代においてもはっきりと解明されてはいないとのこと。
この生産方法は世界で唯一無二のものであり、石川県の条例で定められた資格免許を持つ業者しか作ることができません。

実は石川県はふぐの漁獲量日本一の県で、下関市がある山口県にひけをとらないふぐの街なのです。
この糠漬けは、まさにそんな石川県ならではの奇跡の食品といえるでしょう。
ちなみにお味は発酵食品特有の熟成した旨味が特徴で、ご飯のお供に最適な一品です。

トラフグ料理まとめ

日本には長いふぐ食の歴史があり、その毒のために食べることがご法度とされていた時代でさえ、秘密裡にふぐ調理の技術は受け継がれてきました。
ふぐの料理はそれだけ深く日本人の食文化に根付いているといえます。
トラフグ料理のそれぞれの特徴を知って、自分の好きな食べ方を追求してみましょう。

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