サバの寄生虫アニサキスについて解説、症状からサバを食べるときの注意点まで

美味しくて健康にもいい魚、サバ。日本の食卓には欠かせない食材です。その一方でサバは昔から食べるのに注意の必要な魚ともされてきました。理由の一つには傷みが早く、生のままではすぐに腐ってしまうことが挙げられます。

 

そしてもう一つ、これは近年明らかになったことですが、サバには危険な寄生虫が潜んでいることがあるのです。青魚で強いアレルギー反応が起こるという人の中には、実はこの寄生虫に対するアレルギーだったという人もいます。

 

サバの体内にいるという寄生虫はアニサキスと呼ばれ、その生態について一般の人にも徐々に知られるようになってきました。

美味しそうな魚ほど危ない理由

アニサキスは決して強い寄生虫ではありません。厚生労働省によるとマイナス20℃で24時間冷凍、あるいは60℃で1分以上加熱することで死んでしまいます。

 

ですが日本では昔から魚の美味しい食べ方は獲れたてをそのまま食すことという価値観が強く、刺身や海鮮丼などの生食が好まれます。さらに消費者のそういったニーズに応えて、近年は冷蔵輸送の技術が進化し、魚を冷凍することなく鮮度を保って市場まで運ぶことができるようになりました。

 

こういった背景から、現在アニサキスによる被害は増加傾向にあります。鮮魚コーナーでパックに解凍と表示されていない魚があると新鮮で美味しそうと思ってしまいますが、寄生虫によるリスクというデメリットがあることも知っておきましょう。

アニサキスが体に入ったときの症状

アニサキスが体内に入っても無症状の人や軽いお腹の痛みで治まってしまう人もいます。けれども多くの方は口から入ったアニサキスがまず胃の中で暴れて胃壁に突き刺さる、胃アニサキス症を発症します。これがサバなどの魚介類を食べて3~4時間後のことです。胃アニサキス症の痛みはすさまじく、吐き気や嘔吐も伴います。

 

また経口感染してから十数時間~数日経って発症するのが腸アニサキス症です。胃よりもさらに奥深く潜り込んだアニサキスが、今度は腸の壁に食いついてきます。この場合も強い下腹部の痛み、吐き気、嘔吐、そして発熱といった症状があらわれます。そしてひどいときは腸閉塞や腸穿孔などを起こし重症化してしまうのです。

アニキサスは重篤なアレルギー症状も引き起こす場合があります。アナフィラキシーショックといって、アレルギー反応としてよく知られる蕁麻疹の他、呼吸困難や意識消失といった症状を起こします。

アニサキスの治療方法

アニサキスは人間の体内では長く生きられず、治療せず放置しておいてもおおよそ1週間ほどで死んでしまいます。

 

ですが強烈な痛みやアレルギー症状が出ている場合は病院にいって治療を受けたほうがよいでしょう。といっても現在アニサキスを駆除する薬はまだ開発されていません。

 

胃カメラ検査などでアニサキスが確認できた場合、内視鏡で除去することが一番効果的な治療になります。腹部の痛みはアニサキスが内臓の壁に接触することで起きる痛みですから、アニサキスさえ取り出せばすぐに消えてしまいます。あまりに奥に入りこんで除去が難しい場合には、薬によって症状をおさえてアニサキスが死滅するのを待つことになります。

 

いずれにせよサバなどの魚介類を口にして痛みや吐き気、発熱などの症状があらわれたら、早めに病院に相談するようにしましょう。

サバを買ったときに気をつけること

一度冷凍したり、ちゃんと加熱して食べるならアニサキスをそこまで過剰に気にする必要はありません。

 

けれども、どうしても新鮮なサバをお刺身やしめサバにして食べたいと思うならサバを切ったときに注意深く見るようにしましょう。アニサキスは目視できるサイズの寄生虫です。長さ2cmほどの白い糸のようなもの、あるいは渦巻き状のものがあったら要注意です。

 

サバは新鮮なうちならアニサキスが内臓に留まっている可能性が高いので、買ってきたらまず内臓を取り出してゴミ箱に捨ててしまうことをおすすめします。このときに包丁やまな板を介してアニサキスが他の食品についてしまうことがないよう注意してください。また筋肉のほうに移ってしまったアニサキスも少しでも傷がつくとすぐに死んでしまうので、刺身を薄く切ったり隠し包丁を入れることも有効です。

サバの他にアニサキスの危険がある魚

アニサキスはサバの他にも、カツオやサンマ、ホッケをはじめ、アジやイワシ、サケ、ニシン、そしてマスやイカといった魚に寄生します。

 

どれも日頃お店で買ってきて自分で調理している魚ですから、驚かれたかもしれません。実は鮮魚コーナーで売っている魚も、内臓や筋肉の部分をよく探すとアニサキスが見つかることがあります。これに気づかず、十分に加熱しないままで口にするとアニサキス症を起こしてしまうのです

 

アニサキスによる被害は近年急増していて、2019年の発生件数は328件でした。しかもこれはあくまで届け出のあった数のみですから、生魚にあたってしまったとそのまま放置していたケースを含めると実際の数はもっと多いものと考えられます。

 

やっと一般にもその存在や対処法が認知されるようになってきたアニサキス。正しい知識を身につけて、これからも鮮魚を美味しく安全に食べていきたいですね。

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